『演劇プロデューサーという仕事』
細川さんは第三舞台、劇団☆新感線のプロデューサーを務められた方です。
表舞台に出られる方では無いので、あまり一般的に名の知られた方ではないですが、演劇界を変えた方と言っても過言ではありません。
どのように変えたかと言うと、今で言うと当たり前になった「客演」を積極的に取り入れました。
客演とは、他の劇団の役者がゲストで出演することです。
昔は客演禁止というルールがありました。
自分の劇団の役者が他の色に染まるのを避けるため等の理由があります。
今では客演がないと演劇は成り立たないと言われるほどですが、
例えば、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』は1990年から毎回キャストを変えながら上演されている公演です。
7年ごとにリメイクがされ、キャストが毎回一新されます。
↓のブログに過去公演のキャスト一覧が掲載されています。
劇団間の交流が盛んになり、異なる劇団の看板俳優の二人芝居など、新たな企画も数多く生まれました。
【響いた文章】
・演劇で稼ぐには縁と運。飲み会。名刺。
(役者に当てはまるかはわかりませんが、当てはまりそうな感じがします)
・役者はわがままで強欲で不安
・俳優=優れて人に非ず
・映像は瞬発力、芝居は持久力
・演技はセリフの決まったアドリブ
・演劇は、作家と演出と俳優の共同作業
・フォーク演劇とハードロック演劇
役者によって相性がある。第三舞台はフォーク、新感線はハードロック。
・強いものが勝つのではない。勝ったものが強いのだ。
本書の最後に、細川さんが過去を振り返り、以下のようなことを書いておられました。
「やりたいことよりも自分に向いていることをやるべき。自分の頭で考えるべき。自分に合った方法を模索する。「成功から逆算」して出てきたそれは、ただの因数分解。才能という魔物の餌食になるな。」
(筆者なりに噛み砕いてまとめたものです)
ジャンルは関係ありませんが、ブロガーの八木仁平さんが発信内容の軸としている「自己理解」が、やはり大事なのだと感じました。
己を知り、世界とどう戦っていくか。
加えて、役者の世界はそこに「運」「縁」が関わっているから厄介なのだとも。
…イバラ道、進んでいこー!
演劇プロデューサーという仕事: 「第三舞台」「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか
- 作者: 細川展裕
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る